子どもがなかなか寝てくれません。30分トントンしても寝ない場合どうしたらいいんでしょうか?
子どもがすぐに寝る方法を知りたいです…。
こういった疑問にお答えします。
✅本記事の内容
● 子どもがなかなか寝ない2つの理由
● 心地よくて思わず眠ってしまう7つの寝かしつけ方
✅記事の信頼性
この記事を書いているかもねぎはこんな感じです。
● 保育士歴15年の主任保育士
● 乳児クラス6年、幼児クラス6年、フリー3年を経験
保育園には必ずといっていいほど、“なかなか寝ない子”がいますよね。
「あ~、早く寝てほしいのに~」
「連絡表もノートも書いて、休憩まわさないとなんだけど…」などと心落ち着かないことが私も何度もありました。
しかし、保育士も15年目になった今、「子どもがなぜ寝ないのか」「どうしたらいいのか」ということがわかってきました。
ひとことで言えば、「子どものタイプや原因の分析」と「その子の寝るツボを探る」といった感じです。
さくっとまとめましたので、参考になれば嬉しいです。
“なかなか寝ない子”は【眠れなくて困っている子】です
まずは大前提。
子どもが眠れない理由は大きく分けると2つあります。
① 生活リズムや体調
② 子どもの個性(感覚が過敏・愛情が欠乏)
1つずつ解説します。
生活リズムや体調が原因で眠れない
・ 食事や睡眠、運動、排せつなどの生活リズムが崩れている
・ 体調がよくない
これだけ見れば「当たり前でしょ~」などと思うかもですが、実際に保育をしているとなかなか気づけなかったりします。
かもねぎももちろんそうでした。
目の前で、泣いたり怒ったりしゃべったりして寝ない子を見ていると、「早く寝かせなきゃ」と一生懸命になるからです。
だから、眠れない子がいたら【生活リズム】と【体調】を振り返ってみてください。
「おなかいっぱいになってるかな?」
「朝起きた時間はいつも通りだっけ?」
「眠くなるくらい体を動かしてあそんだっけ?」
「うんちはたまってないかな?」
「熱はないかな?体調は大丈夫?」
まずは眠れない原因が何なのか考えてみてください。
早寝・早起きで昼食もよく食べ、外でたくさん体を動かしてあそんだ。うんちもいいのが出たし、とっても元気。
それなのになんで寝ないの~!
となったら次です。
子どもの個性として眠れない
・周囲の刺激をキャッチしやすい → アンテナぎんぎん
・寂しくて眠れない → 心がカラカラ
✅【アンテナぎんぎん】の子ども
視覚や聴覚、嗅覚、触角が過敏で、まわりの情報をキャッチしすぎてしまう子もいます。
自分ではどうすることもできず、過剰な刺激に脳が興奮して眠れない、ということがあります。
具体的にいえば、
・ 明るすぎる(まぶしいよ~)
・ 暗すぎる(ドキドキ、不安な感じ)
・ となりの友だちの動きが気になる(本当は寝たいのに…)
・ まわりの音が気になる(うるさいよ~)
・ においが気になる(変なにおいがする…)
・ 布団やコット、かけ布団、服の感触が気になる(触ったりあそんだりしたくなるなぁ)
こういった場合どうすればいいか。
その子が眠ることに集中できるように、周囲の刺激情報をできる限りカットしましょう。
基本、この2つでOKかと。
・ ついたてや保育者でその子の布団の周囲を囲んで、目や耳への刺激を減らす
・ その子にとって心地いい寝かしつけ方を見つける(具体的なやり方はこの後説明します)
かもねぎの経験上、ついたてを置かなくても、保育者が他児との間に座り、友だち(楽しい刺激)を見えないようにすればOKな感じです。
それでも子どもはすぐには落ち着けなくて声を出したり、手や足であそんだりするでしょう。
そんなとき、私はこんな声かけをしています。
「目をつぶって“寝る気持ち”だよ」
「今はしゃべらないよ」
「手であそばないで寝ようね」
年齢や子どもの個性、子どもとの関係性などがあるので「これが絶対に正解!」ではないですね。
でも、大事なのは【短く】【具体的】に伝えることです。
これは午睡だけでなく保育の基本テクニックです。
✅【心がカラカラ】の子ども
かもねぎが今まで出会った子ども(特に幼児クラス)で眠れない子たちは、【カラカラくん】が多かったです。
「お母さんにもっとぼくを見てほしい」
「もっとわたしの話を聞いてほしい」
「もっとぎゅっとしてほしい」
そんな思いをため込んでいる子は、寝るときにあそんだりしゃべったりすることが多いように思います。(もちろんしゃべってる子がみんなそうではないです)
「もっと、僕をみてくれー!」という子どもなりの表現です。
では、どうしたらいいのか?
かもねぎは、とにかくその子が眠るまで側につき、体をマッサージするようにトントンしたりさすったりします。
30分じゃ寝ないときもあります。
1時間くらいかかることもあります。
それでも毎日その子の側に行って体をさすります。
1カ月、2カ月、3か月。
午睡のときはもちろん、普段の生活の中でもこの子との心身の触れ合いを意識的に増やします。
一緒に過ごす時間が増えると、少しずつ私を信頼してくれるのがわかります。
最初はトントンされるのを嫌がっていました。
こっちも寝かせたくてイライラしてしまうこともありました。
トントンよりも、実は背中をすりすりするほうが心地いいということがわかりました。
だんだん、私のことを待っていてくれるようになりました。
午睡の時間がお互いに心地いい時間になりました。
寝かしつけに1時間かかっていたのが、30分くらいになりました。
お母さんの愛情がほしくて心がカラカラになっている子に対して担任ができることは限られています。
でも、できる限り愛情をそそぎます。
それが【心がカサカサしている子ども】が落ち着いて、気持ちよく眠れる1番の方法だと思います。
心地よくて思わず眠ってしまう7つの寝かしつけ方
眠りのツボ:頭、顔、耳、背中、胸、ふくらはぎ、足の裏
やり方:やさしくたたく、やさしくかく、さする、もむ、なでる
子どもによって気持ちいい場所、眠くなる場所はちがいます。
だからいろいろ試してみて、その子のツボを見つけることが大切です。
眠りのツボは7つある
やり方をもう少し具体的にいうと、こんな感じでしょうか。
【背中】(肩甲骨の間)
・一定のリズムでやさしくたたく(トントン)
・爪で軽くかく(カリカリ)
・手のひらでなでる、こする(スリスリ)
【胸】
・一定のリズムでやさしくたたく(トントン)
【足】
・ふくらはぎをもむ、なでる
・足の裏をもむ、なでる
けっこうたくさんありましたね。
体への刺激の意味がわかると寝かしつけがうまくなる
最後に、保育士が毎日やっているこの寝かしつけ、体への刺激の意味を説明します。
かもねぎの個人的な考えですが、2つあると思っています。
① 子どもを心地よくさせる
② 眠りをジャマする刺激をカットする
1番は【気持ちいい】ということ。
やさしく触れてもらうことって、大人でも子どもでも心地いいですよね。
「気持ちいいなー」
「なんだか、安心するなー」
と子どもは感じて、だんだん眠くなっていきます。
もう1つは、眠りをジャマする刺激をカットするということです。
体への刺激を入れることで、周囲からの刺激や本人の「もっとあそびたい!」という思いをブロックします。
この2点を押さえれば、子どもをどうやって寝かせたらいいのかということがよりわかりやすいと思います。
保育は算数ではありません
今回は子どもの寝かしつけ方を、かなり具体的にご説明しました。
ただ、忘れないでほしいのは、「保育は答えが1つではない」ということです。
「ふーん、こんなやり方もあるんだ」
「こうやって考える人もいるんだ」
などと感じてもらい、あなたの保育を広げる材料となれば嬉しいです。
答えは「目の前の子ども」と「あなた」でつくってほしいとかもねぎは思います。
それでは、楽しい保育を。
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