幼稚園や保育園の幼児クラスでは、毎日のようにやっている“集まり”。
そんな“集まり”について、基本的なことをまとめた記事もこれで4つ目です。
いつどうやって集まりをやっているか、子どもたちをどうやって集中させるのかなどをお伝えします。
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contents
集まりはいつ、どのくらいの時間やるのか?
答え
① 活動の前や生活の区切りの時間に行う
② 5分~20分ほど
いつ集まりをやるのか
午前・お昼・午後のそれぞれに集まりをする機会があります。
一覧にすると、以下のようでしょうか。
【午前】 室内あそび→片づけ→排泄→集まり→戸外あそび
【お昼】 昼食→排泄→集まり→午睡
【午後】 戸外あそび(室内あそび)→着替え→排泄→集まり→当番保育(遅番)
その日の活動やねらいによって、どの時間にどのくらいの集まりをするか考えます。
私は、“興奮する子どもたちの気持ちを切り替える”ことや、“見通しを持って主体的に生活する”ために、ほとんどの場面で集まりをしています。
時には、遊ぶ時間の確保のため、朝の集まりをしないで遊び続けることもしますが、その場合も、事前に以下のようなことを子どもたちに伝えています。
“今、何をするのか”
“いつ、次の行動に移るのか”
“その後、どうなるのか”
子どもたちが自分で考え、判断できる情報をわかりやすく伝えることを大切にしています。
どのくらいの時間集まりをやるのか
決まった答えはありませんが、その日や週の活動、子どもの年齢やその日の状態などによって、臨機応変に行います。
ただ、子どもの集中時間は限られているので、5分~20分ほどでしょうか。
子どもたちが楽しく、集中して参加できる範囲が望ましいですね。
集まりは3・4・5歳児クラスでどう変えるのか?
答え
① “子どもの発達・クラスの様子”に合わせて変える
② 集まりの“時間・内容・子どもの役割”を変える
改めて言うこともないでしょうが、3歳児クラスだからこれ、4歳児クラスだからこれ、というようにカッチリとした答えがあるわけではありません。
あえて言うならば、みなさんの目の前の子どもたちが受け取れる内容が正解、といったところでしょうか。
集まりの“時間・内容・子どもの役割”を変える
それを大前提としたうえで、“子どもの発達やクラスの様子に応じて、集まりの時間・内容・子どもの役割を変える”ということをかんたんにまとめます。
① 時間を変える(短い → 長い)
・クラスの子どもたちの集中時間に応じて、5分~20分くらいの集まりにする
② 内容を変える(あそび → 活動)
・クラスみんなが楽しめる“あそび”から始める
・“あそび”を通して【聞く・見る・話す・考える】を経験できるようにする
・“お知らせ”や“話し合い”などを通して【聞く・見る・話す・考える】を経験できるようにする
③ 子どもの役割を変える(観客 → 参加者 → 主催者)
・最初は“あそび”を中心にして、【見る・聞く】を楽しめるようにする
・【見る・聞く・話す・考える】ことなどを行い、部分的に参加できるようにする
・【見る・聞く・話す・考える】ことなどを通して、子どもたちが活動をつくりだせるようにする
大きな流れとしては上記のようでしょうか。
あそびから始めて、基本の力をつけられるようにする。
保育者のリードから始めて、徐々に子どもの力で進められるようにする。
そこがポイントであり、むずかしいところでもあります。
大事なことは、毎日の積み重ねであり、少しずつ“集まり”を広げていくことだと思います。
集まりってむずかしいんだけど・・どうしたらいいのか?
答え
“集まり”のポイントは、子どもをいかに集中させられるか
幼児クラスの集まりは、10人、20人以上の子どもを一斉に集中させて、しかも、その集中を一定の時間続かせることが必要です。
そうかんたんなことではないですよね。
では、どうしたらいいのでしょうか?
子どもの集中が続かない理由とその対策を考えましょう。
子どもの集中が続かない理由と対策
理由① 保育者の話が長い
・「〜して、〜して、それで〜して」などと文章を長くしない
・話を短く区切り、1つの文章で伝えることは1つにする
・必要なことだけを話し、不必要な言葉は削る
・事前に話のポイントをまとめる
・箇条書きのメモをつくって見ながらやる
・話の最初に「大事なことを2つ話すよ」などと予告して、子どもが聞きやすい環境をつくる
理由② 保育者の話にあきてしまう
・子どもにとってわかりやすい、かんたんな言葉で話す
・保育者がずっと話していると、子どもは“聞く”だけになってあきる
・保育者がずっと話すにしても、“小声を使う”“緩急をつける”“間を開ける”というように、話に変化をつけて、子どもの集中をひく
・子どもが“聞く”だけでなく、“見る”“話す”“体を動かす”“考える”などもできるような内容にする
・絵や音、人形、身振り手振り、表情、など、言葉以外のものもつかって伝える
理由③ そもそも始めから集中していない
・まずは手あそびやパネルシアターなど子どもにとって楽しいあそびから始めて、“集中すること”を練習する
・たっぷりと遊んで満足感を持ってから集まりを行う
・汗がにじむくらい体をたくさん動かしてから集まりを行う
保育者がただ話すだけでは集まりはむずかしいですよね。
伝えたいことをまとめておき、言葉を選んで必要なことだけ話す。
話のテンポやリズムを変えたり、言葉以外もうまくつかうことで、子どもたちの興味関心をひいて、集中させていくことがポイントでしょうか。
ただ、わかったからといってすぐにできるわけではないのが保育。
なんといっても子どもたちの姿はそれぞれですし、保育はまさにライブですものね。
私たちにできるのは、問題を整理して、やるべきことを頭に入れること。
そして、失敗しながらも繰り返しチャレンジすることだと思います。
そうすることで初めて、みなさんがご自分のやり方をつかめるのではないでしょうか。
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