こんなお悩みを解決します。
この記事では「保護者との向き合い方のヒントをくれる本」をまとめています。イラストが豊富で読みやすいものから、実践的なトレーニングが載った本などもあるので、保護者対応や支援のスキルをアップさせたい保育園や幼稚園の先生にぴったりです。
- 保育歴16年の保育士
- 0歳から5歳まですべて経験
- 保育の本を100冊以上持っている
- 保育歴16年の保育士
- 0歳から5歳まですべて経験
- 保育の本を100冊以上持っている
記事の前半では「イラストが多く全体的に読みやすいもの」を、後半では「保護者支援の実践的な内容を教えてくれる本」をまとめています。
「保護者対応に自信を持ちたい」「保育のプロとして保護者支援のレベルを上げたい」と思っている保育士さんや幼稚園の先生はぜひご覧ください。
【若手~ベテラン】保護者支援・対応の本おすすめランキング TOP3
保育者としての経験年数にかかわらず、全職員が読んでおいた方がいい本を3冊だけ厳選しました。
【第1位】ちょっとした言葉かけで変わる 保護者支援の新ルール10の原則
① 本の半分がほぼマンガで読みやすい。
② まるで雑誌を見てるように読みやすい記事構成。
③ 思わず対応に困る、よくある具体例がたくさんのっている。
「本を読むのが苦手です」
「できるだけわかりやすくて、最後までスイスイ読めるものってありますか?」
という方にピッタリの本です。
やっぱり【保護者との間におこるよくある事例】がマンガになっているのは大きいですね。
新人・若手保育者でも読みやすいです。
しかも、「こうすればいい」という答えだけでなく、「どうやって考えたらいいのか?」ということを、著者である大豆生田先生がわかりやすく書いてくれています。
時代はすでに【保護者対応】から【保護者支援】に切り替わっています。
今までのやり方では通じない保護者・社会環境になっているので、若手はもちろんですが、【経験が豊富な中堅・ベテラン保育者にこそおすすめ】といえる1冊になっています。
【第2位】保育士・幼稚園教諭のための保護者支援 ~保育ソーシャルワークで学ぶ相談支援~
① 保育現場の保護者対応を、相談・支援のプロのスキルでわかりやすくまとめている。
② 経験やカンに頼るのではなく、スキルで保護者支援をするので、練習すれば若手でもできる。
③ 見開き1ぺージで1つの内容(左:文章 右:イラスト)という構成がわかりやすい。
「保護者支援なんて言われても、どうやったらいいかわかりません」
「私たちは保育のプロで、相談・支援のプロじゃないんですけどー!」
という方におすすめです。
保護者を支援するためのやり方・考え方が、キレイにまとまっているのがこの本です。
保育者になって2~3年目でも読みやすく、すぐに行動に移せる内容になっています。
例えば、1番初めのページではこんな事例があります。
・【保護者】という言葉で親を考えると、マイナスな印象を感じることがある。
・【お母さん】【お父さん】という言葉で親を考えると、プラスな印象になる。
・【お母さん】【お父さん】という言葉で親と接すると、自然と笑顔が出てくる。
私も思わず、「確かにそうだな~」とうなずきました。
これって、ベテランだけでなく、若手でも新人でもできる考え方ですよね?
これが相談・支援のスキルなのです。スキル=技なので、練習すればだれでもできるようになるのです。
保護者のためにも、そして、保護者に向き合うあなたの心のためにも、とっても役に立つ1冊です。
【第3位】保育者のための心の仕組みを知る本 ~ストレスを活かす・心を守る~
① 【保育者のため】に書かれているから、内容が超ピンポイント!
② とにかく内容がやさしい。保育者のツラさをよーくわかってくれている本。
③ それでいて心理学のプロのスキルが身につく。
「人にどう見られているか気になって、あたまの中がぐるぐるしちゃうことがあります」
「どうしてあの親は子どもが熱なのにすぐ迎えに来ないんだろう!」
「保護者というか、大人とのコミュニケーションが苦手です…」
などとお悩みの方に、この本はおすすめします。
この本は、保護者と向き合うあなたの心を、ストレスやこり固まった思い込みから守ってくれます。
正直、文字量は多めですが、ゆるふわなイラストと“これは自分のことでは!?”と思う内容に、思わず読んでしまいますよ。
最後に、本書の中で私にものすごく刺さったところを引用します。
保育園でよく起こる職員間の連携ミスやコミュニケーション不足、そこからの保護者のクレームに触れたうえで、著者は問題の本質をこう書いています。
これは、職員の間だけの問題、園(組織)だけの問題ではありません。
大切な「ひと育て」の場所であるにもかかわらず、そもそも人員配置が少なすぎるのです。
そして、保育者の仕事は「8時間、保育をする」という計算で人員配置されているために、保育以外の仕事(話し合い、事務、製作など)に費やす時間は、すべて残業になります。
他の職場ではあたりまえのように見られる職員同士の立ち話でさえも、忙しすぎて、めったに見えません。
引用:『保育者のための心の仕組みを知る本 ストレスを活かす 心を守る』
文:掛札逸美 絵:柚木ミサト 発行所:株式会社ぎょうせい
ぐさっと刺さりました。首がもげるほどうなずきました。
ここまで保育園のことをわかってくれている方が書いてくれた本なので、この本は信頼できると私は思います。
【5年目~園長】保護者支援・対応の本おすすめランキング TOP3
次に、保育者としてある程度の経験を積んだ方向けに、実践する力を身につけられる本を3冊だけご紹介します。
【第1位】園力アップSeries1 保護者支援・対応のワークとトレーニング
① 保護者理解・支援の基本やそのトレーニングだけでなく、保育参加・面談・懇談会などのアイディアも多い。
② 著者が研修で実践して、大きな効果が証明されたトレーニングだけ取り上げている。
③ 5年目以上の職員・主任・副園長・園長などに、特におすすめ。
「プロの保育者として、保護者理解・保護者支援のスキルを高めたい」
「保護者との関係をもっとよくしたり、クレームを防ぐ・おおきくしないスキルを身につけたい」
という方にぴったりな本です。
【ワークとトレーニング】という題名から「なんだか、むずかしそう…」と思うかもです。
でも、イラストも多く、1つ1つの話が短くまとまっているので、とても読みやすいです。
自分で読むだけでなく職員集団でのグループワークもでき、懇談観のアイディアも8つあるので、とてもコスパのいい本になっています。
【第2位】保育者のためのコミュニケーション・トレーニングBOOK
① コミュニケーション労働である保育者に必要な【きく・はなす・よむ・かく・みる】を高める本。
② 保育現場のプロになるためのテキストで、園内研修につかえるワークがたくさんのっている。
③ 汐見先生と新保先生が一緒につくった本。
「保護者と気持ちを通じ合わせるのはむずかしいです。何かいい方法はありますか?」
「保護者だけでなく職員同士も含めて、もっとスムーズにコミュニケーションするにはどうしたらいいでしょうか?」
そんなお悩みを解決してくれるのが、こちらの本です。
なんだか【研修のテキストにもなる】と言われるとむずかしそうに聞こえますね。
文字の量は多いですが、具体的なワークや汐見先生のコラムも多く、かなり読みやすい印象です。
この絵本保育の世界で有名な【汐見先生・新保先生】がタッグを組んでつくったスペシャルな1冊。
約100ページにわたって、【きく・はなす・よむ・かく・みる】というコミュニケーションの基礎知識やトレーニング方法がまとめられています、とっても面白いです!
まずは、“主任・副園長・園長”など人の上に立つ方が読み、考え方を学び、日々実践していく。
そして、職員会議や園内研修などで、この本のワークをみんなでやる。
そんな使い方ができる本になっています。
このような積み重ねが、職場内だけでなく、対子ども、対保護者との間のスムーズなコミュニケーションにつながります。
【第3位】「保護者のシグナル」観る 聴く 応える 保育者のためのコミュニケーションスキル
① 【苦情対応のプロ】と【保育の安全とコミュニケーションのプロ】が保育者のために書き上げたオンリーワンの本。
② 保護者の不満をキャッチして、話を共感して聴き、問題を解決するやり方を具体的に教えてくれる。
③ 保護者対応のリスク管理ができる。
「コミュニケーションが大事なのはわかるけど、そのやり方がわかりません」
という方だけでなく、
「保護者対応や苦情対応でやってはいけないこと、すべきことを知りたいです」
という方にもおすすめです。
本記事のランキング3位の【ストレス本】の著者・掛札先生が、苦情対応のプロと一緒に書いたのがこの本です。
基本、文字だけの本なので、読書が苦手な方にはむずかしいかもです。
でも、【保護者対応】というリスクにさらされている私たち保育者にとって、自分の身を守るために本棚においておくことをおすすめします。
この本はざっくり言えば、リスクマネジメントの本です。
保護者を悪く言うつもりはもちろんありませんが、私たち保育者の言葉や態度によっては、保護者から厳しく非難されることもあるのが保育園や幼稚園です。
そんなリスクをどうしたら防げるのかを、苦情対応のプロと保育の安全・コミュニケーションのプロが具体的に教えてくれるのです。
文字は多いですが「ぜんぶ読まなくちゃ」と思わず、目次を見て気になったところを読むスタイルで十分勉強になりますよ。
【番外編】別の視点から保護者にアプローチするおすすめの本3冊
・連絡帳やおたよりで保護者とつながるための【書いて伝える力】が身につく本。
・メディアでも話題の【非認知能力の育て方】を、保護者にわかる言葉で伝えられる本。
・保育園や幼稚園で起こる【ケガや事故のリスクを減らす】とともに、【そのリスクを保護者にどう伝えるか】がわかる本。
3つの視点から保護者にアプローチして、信頼関係をさらに高められる本をご紹介します。
【文章力up】アッというまに書けて☆伝わる 保育者の伝える力
① 【連絡帳・おたより・クラスボード・ブログ】の伝わる書き方がわかる。
② パパっと書いて、じんわり響く、保護者が心待ちにする文章を書けるようになる。
③ 【書く・撮る・描く】の具体例が豊富だから、すぐにマネができる。
「午睡中だけでは、全員分の連絡帳を書ききれないことがあります」
「パパっと書きつつも、保護者の心に届く連絡帳を書きたいです」
などと思っている方におすすめの本です。
毎日書くのがあたりまえの連絡帳ですが、その書き方を教えてもらうことってほぼないです。
連絡帳やおたよりの書き方に特化したこの本は、“うまく書けない”“速く書けない”をサクッと解決してくれます。
毎日会える保護者もいれば、朝夕が早くて会えない保護者もいるのが保育園。
なかなか会えない保護者と保育園をつなぐものが【連絡帳】ですし、
会えていても、普段の子どもの様子を会話以上に伝えるものが【連絡帳】です。
ここのスキルが高まれば、担任であるあなたへの信頼は確実に高まり、保護者との関係もグッとよくなりますね!
【世界が注目!】非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳~5歳児のあと伸びする力を育てる
① 【子どもはあそびの中で学んでいる】ということを、保護者にわかる言葉で説明できる。
② 【非認知能力】という言葉は一般的に広まっているので、保護者と通じ合えるキーワードにできる。
③ わかりやすくておもしろい、イラストたっぷりの【大豆生田先生の本】。
「子どもにとって“あそびが大切”なのはわかるけど、それを保護者に説明するのはむずかしいです」
「非認知能力っていうけど、実はよくわからないんです…」
という方は、ぜひこの本を読んでみてください。
【非認知能力】というとなんだかむずかしそうですが、この本を読めばよーくわかります。
自分の保育にも、子育てに困っている保護者の支援にもつかえるので、とってもコスパがいい本です。
例えば、
「子どもがティッシュを箱から何枚も出すのに困っています」
「私のカバンを勝手に開けて、中身を出しちゃうんです…」
などとお困りの保護者にも、
「子どもにとっては【出したり入れたりする】ことがあそびなんですよ」
「その中で【ものをつかむ・離す】ことを経験し、手先を動かしているんです」
「手や指先を使えば使うほど、運動機能も、脳も発達しています」
などと伝えることができます。
そして、
「でも、ティッシュやカバンをおもちゃにされるのはお母さんが困りますよね」
「ティッシュの空き箱に、切った布を何枚も入れておくという手もありますよ」
「空き箱や使わなくなったカバンなどをおもちゃにしてもいいですね」
と代案を出すこともできちゃいます。
子どもも保護者も保育者も、みーんなハッピーになれる1冊ですよ!
【リスクを伝える】子どもの「命」の守り方 変える!事故予防と保護者・園内コミュニケーション
① 子どもの命を守るための、保育施設のリスク管理を学べる。
② 保育施設のリスクについて、保護者にどう説明したらいいかを学べる。
③ 著者は、保育の仕事を【子どもの命と育ちを預かる専門職】と考える、保育の安全の研究者。
「保育施設の事故のニュースを聞くたびに、他人事じゃないって思います」
「リスクコントロールってよく聞くけど、具体的にどうしたらいいのかはわかりません」
という方は、ぜひこの1冊をお手元にどうぞ。
著者の掛札先生は【NPO法人 保育の安全研究・教育センター代表】をされています。
保育施設の安全を守るための必読の書だと私は思います。
本の中で、特に印象的なところを、私なりの言葉でピックアップします。
✅ミスについて
・ 人間はミスをする生き物。
・ ミスはなくすのではなく、減らす。
・ ミスに気づけるシステムをつくる。
✅コミュニケーションはリスクマネジメントの基礎
・ 保護者とのコミュニケーションスキルを上達させる1番の近道は、職員間のコミュニケーションを向上させること。
・ 日々のヒヤリハットや気づきを職員1人ひとりが安心して話し、共有、修正できれば、リスクは下がる。
・ リスクはゼロにできない。保護者には、ゼロに近づける園の取り組みを伝えつつ、リスクを事前に説明する。
・ リスク情報を保護者が受け取り、理解し、自分で判断することが大切。
掛札先生の本はどうしても文字が多いのですが、「子どもの命を守る」という保育者であればだれもが望むことを学べる、またとない本です。
まとめ
ここまで紹介した【保護者支援・対応】の本をまとめておきます。
✅【若手~ベテラン】保護者支援・対応の本おすすめランキング TOP3
第1位『ちょっとした言葉かけで変わる 保護者支援の新ルール 10の原則』
第2位『保育士・幼稚園教諭のための保護者支援~保育ソーシャルワークで学ぶ相談支援』
第3位『保育者のための心の仕組みを知る本 ストレスを活かす 心を守る』
第1位『ちょっとした言葉かけで変わる 保護者支援の新ルール 10の原則』
第2位『保育士・幼稚園教諭のための保護者支援~保育ソーシャルワークで学ぶ相談支援』
第3位『保育者のための心の仕組みを知る本 ストレスを活かす 心を守る』
✅【5年目~園長】保護者支援・対応の本おすすめランキング TOP3
第1位『園力アップSeries 保護者支援・対応のワークとトレーニング』
第2位『保育者のための コミュニケーション・トレーニングBOOK』
第3位『「保護者のシグナル」観る・聴く・応える 保育者のためのコミュニケーション・スキル』
第1位『園力アップSeries 保護者支援・対応のワークとトレーニング』
第2位『保育者のための コミュニケーション・トレーニングBOOK』
第3位『「保護者のシグナル」観る・聴く・応える 保育者のためのコミュニケーション・スキル』
✅【番外編】別の視点から保護者にアプローチするおすすめ本【3冊】
1冊目『アッというまに書けて☆伝わる 保育者の伝える力』
2冊目『非認知能力を育てる あそびのレシピ 0歳~5歳児のあと伸びする力を高める』
3冊目『子どもの「命」の守り方 ─変える! 事故予防と保護者・園内コミュニケーション』
1冊目『アッというまに書けて☆伝わる 保育者の伝える力』
2冊目『非認知能力を育てる あそびのレシピ 0歳~5歳児のあと伸びする力を高める』
3冊目『子どもの「命」の守り方 ─変える! 事故予防と保護者・園内コミュニケーション』
ここで紹介した9冊の本をあらためて読んでみて、気づいたことがあります。
それは、
・ 【保護者対応】から【保護者支援】へ変化し、保育者の役割が重くなった。
・ 私たちは【保育のプロ】だけど、【保護者支援のプロ】ではない。
・ 自分から学ぶことで目の前の保護者や子どもを助けられるし、自分の身を守ることにつながる。
ということです。
「わかったつもり」「できてるつもり」ではなく、本を読んで、日々の保育の中で実践して、失敗を繰り返しながら身につけることが大切なんだと思いました。
以上、幼稚園や保育園の保育者におすすめする、保護者支援・対応の本のご紹介でした~。
最後までお読みくださり、ありがとうございます!
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