【具体例あり】2歳児クラスの保護者会・懇談会の内容や準備、発達まで解説

この記事では、2歳児クラスの保護者会・懇談会を成功させるために、どんなことを話したらいいのかがわかる具体例をまとめました。

16年保育士をやってきて、2歳児クラスは3回担任をしている経験から、コツをまとめました。

記事の前半では「2歳児の特徴や発達」についてまとめ、後半では「家庭でできるサポート」や「2歳の懇談会でおすすめグループワーク5選」を紹介しています。

2歳児クラスの保護者会で伝える5つのこと

2歳児クラスの保護者会では、保護者に伝えたい大切な内容が5つあります。

この記事では①〜③について、具体例なども含めて解説していきます。

2歳児クラスの1年間の保育を伝える

担任や保護者の自己紹介のあと、1番最初に話すのは「担任の思い」です。

2歳児クラスの保育で大切にしたいポイントを、子どもの発達をベースに5つまとめました。

では、保護者への伝え方を具体例で紹介します。

例① ごっこや見立てで遊び込む

2歳児は見立てる力が育つ時期です。特に、周りの大人の姿をよく観察し、まねをして遊ぶ姿が増えていくんですね。

たとえば、お母さんが料理をする姿を見て、ままごとコーナーで包丁を使うまねをしたり、車を運転するお父さんを見て、押入れの下で運転ごっこをします。

先日、こんな場面がありました。

このように、子どもたちの見立て遊びの小さな芽をキャッチして、担任が遊びを広げていくことで、より豊かなごっこ遊びへと発展していきます。

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例② たくさんの「できた」を一緒に経験する

2歳児は「自分でやりたい」という気持ちが強くなる時期です。

先日、こんな場面がありました。

子どもたちの「自分でやりたい」という気持ちを尊重しつつ、必要に応じてそっとサポートすることで、たくさんの「できた」を積み重ねて、子どもたちの自信を高めていきたいと思います。

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2歳児の大きな特徴 〜 自我の拡大とヤダヤダ期 〜

2歳児クラスで避けて通れないのは「ヤダヤダ期」。

ヤダヤダ期を説明する、2つのポイントがあります。

✅ 「やだ！」は自立への大切な一歩

• 「自分でやりたい」という思いは、その後の自立につながる大切な姿。
• 子どもの思いを受け止め、じっくり見守ることが必要。

✅ 満足感や安心感が重要

• 見守ってもらえて、たくさん挑戦できると、子どもは満足感や受け入れられている安心感を感じる。
• 大好きなおうちの人に受け入れられた経験が、「他者の要求を受け入れられること」につながる。

2歳児の発達と成長

＊子どもの発達をわかりやすく説明してくれる、この本を参考にしています。

①運動機能：基本的な運動能力が高まる

2歳児になると運動能力が向上し、歩行が安定します。1歳のころに比べて、バランス感覚も発達してきます。

1歳に比べると動きがダイナミックになり、両足ジャンプやボール投げ、鉄棒のぶら下がりなどもできるようになります。

②人間関係：友だちへの関心が高まる

2歳児になると、周りの子どもたちへの関心が高まってきます。一緒に遊ぶというより、同じ場所で遊ぶ「並行遊び」が中心です。

1歳児のころは大人との関わりが中心でしたが、2歳児になると少しずつ子ども同士の関わりが増えてきます。

③基本的生活習慣：少しずつ自立に向かう

食事、排泄、着脱など、基本的な生活習慣が少しずつ自立に向かいます。

1歳児の頃に比べると、「自分でやりたい」という気持ちがぐっと強くなります。また、自分でやりたいものの、できない部分も多いので、保育者がそっとサポートする必要があります。

④言葉：語彙が増え、二語文、多語文が出てくる

言葉の発達が著しく、語彙が急速に増えていきます。

1歳児のころは単語を中心としたコミュニケーションでしたが、2歳児になると二語文から多語文、「〜だから〜だ」ということもわかり、少しずつ文で話せるようになってきます。

⑤認知：イメージする力が育つ

目の前にないものをイメージする力が育ち、ごっこ遊びを楽しめるようになります。

1歳児のころは実際に目の前にあるものに興味を示していましたが、2歳児になるとそこに「イメージ」が加わり、遊びの世界が大きく広がります。

⑥心：自我の拡大・反抗と甘え

いわゆる「第一次反抗期」で、自我が大きくなって「自分でやる！」という気持ちが花開きます。

大人に手伝われるのを嫌がり「自分で！」と怒ったり、ときには、「やって」「見てて」と甘えてくることもあります。

子どもの気持ちを尊重しつつ、やってはいけないことにも子どもが気づき、少しずつ気持ちをコントロールできるようにサポートするのが大切な時期です。

⑦遊び：想像力を広げた遊びを楽しむ

イメージする力が育ち、遊びがより豊かになっていきます。

1歳児のころは身体をつかった遊びや感覚遊びが中心でしたが、2歳児になるとイメージを膨らませた遊びを楽しめるようになります。

⑧社会性：自分のものや約束を理解し始める

自我の育ちとともに、「自分のもの」という意識が生まれます。また、毎日の生活の中で繰り返される「やくそく」を、実際の体験をもとに少しずつ理解し始めます。

「自分が！」と強く主張しつつ、大人や友だちとの生活を通して、少しずつ関わり方を学んでいきます。

【補足】家庭で大切にしたい３つのポイント

① 絵本の読み聞かせを親子で楽しむ

寝る前に絵本を読み聞かせたり、お休みの日に何冊も一緒に読んだりなど、家での生活の中で「絵本」をたっぷりと読んであげたい時期です。

イメージする力や言葉の発達も促されますし、大好きなおうちの人に読み聞かせをしてもらうことは、子どもにとって安心できる時間になります。

② 「自分で！」を見守れる環境を整える

生活のいたるところで「自分でやる！」と、着替えや食事に挑戦する子どもたち。

そんな2歳の子どもを見守るために、こんな環境があると向き合いやすくなります。

■自分でやりやすいような工夫をする

• 着替えやすい衣類や食べやすい食器など、子どもが自分でやりやすいものを用意する。
• 難しい部分は、大人がそっとサポートする。

■15分ほど時間に余裕を持つ

• お休みの日ならばできても、平日はなかなか時間がないもの。
• 子どもの「やりたい」を見守るための時間を、生活に組み込む。

■思い通りにいかない体験も大事にする

• 日々の生活の中では、子どものやりたいを見守るのが難しいときもあります。
• そんなときは、「ここまで」というわかりやすい線引きを保護者がする。
• 「泣いてもすべてが思い通りに行くわけではない」という経験が、気持ちのコントロールにつながっていく。
• うまくいかなかったときは「◯◯がしたかったんだよね」「できなくてイヤだったよね」などと、子どもの気持ちを言葉にして受け止めていく。

③ クールダウンを練習する

「ヤダヤダ期」と呼ばれるくらいなので、子どもたちは毎日のように怒ったり泣いたりを繰り返す時期があります。

保護者のみなさんは、家事に育児に仕事にいっぱいいっぱいの毎日だと思うので、あまりにヤダヤダが激しいと思わず感情的になってしまうこともあると思います。

2歳児クラスの懇談会で伝えること

2歳児の発達や保育のポイントを改めてまとめます。

①運動機能
②人間関係
③基本的生活習慣
④言葉
⑤認知
⑥心
⑦遊び
⑧社会性
⑨「自分で」という姿
⑩「できた」という自信

2歳児クラスの懇談会でおすすめのグループワーク5選

グループワークのやり方

１つのワークで30分ほどかかります。

1. 「我が子のビフォーアフター」

2. 「イヤイヤ対策会議」

3. 「我が家の絵本タイム」

4. 「うちの子の『すごい！』発見」

5. 「親になって変わったこと」

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アイスブレイクやグループワークについて、さらに知りたい方はこちらをどうぞ。

まとめ

2歳児クラスの保護者会や懇談会で伝えたい内容をまとめました。

2歳児クラスの保護者会や懇談会が、楽しく、実りのあるひとときになることを願っています。